
上尾市内で築30年のアパートを経営する80代のお父様と、その長男様からのご相談事例です。アパートの大規模修繕が目前に迫る中、お父様に物忘れの症状が出始め、「もし認知症で契約ができなくなったらアパートが廃墟化してしまう」という危機的な状況でした。事業承継型の家族信託で経営リスクを回避したケースをご紹介します。
| 相談者 | 長男様(50代・上尾市在住・会社員) |
| 家族構成 | 父(80代・アパートオーナー)、長男様 |
| 信託財産 | 収益アパート1棟(上尾市内)、管理費用(1,000万円) |
1. ご相談時の状況(抱えていた不安と問題点)
上尾市内で築30年の賃貸アパートを経営している80代のお父様をお持ちの、長男様からのご相談でした。
お父様は最近、物忘れが目立つようになり、アパートの管理会社とのやり取りも億劫になってきていました。さらに深刻な問題が控えていました。
-
目前に迫る「大規模修繕」:
アパートは老朽化が進んでおり、数年以内に屋根の防水工事や外壁塗装など「数百万〜一千万円規模の大規模修繕」が必要な状況でした。
-
認知症による「契約不可」の恐怖:
長男様が調べたところ、もしお父様が認知症になり「意思能力がない」と判定されてしまうと、工事業者との「請負契約」や、修繕費用のための「銀行からの融資契約」が一切できなくなることが発覚しました。
-
空室リスクの増大:
修繕ができずにアパートが放置されれば、入居者は離れ、新たな入居者も決まらず、やがてスラム化して固定資産税だけがのしかかる「負の遺産」になる危険性がありました。
「このまま父の認知症が進めば、アパート経営自体が完全にストップしてしまう」と、一刻を争う非常に焦った状況でご相談にお見えになりました。
2. かなでのご提案・解決策(家族信託の設計)
アパート経営の「意思決定権(管理・処分・修繕の権限)」を、お父様がお元気なうちに長男様に引き継ぐ「事業承継型・家族信託」をご提案しました。
● 委託者(アパートを預ける人):お父様
● 受託者(アパートを管理・経営する人):長男様
● 受益者(家賃収入を得る人):お父様
● 信託財産:アパートの土地建物、修繕積立金・管理費(1,000万円)
具体的な手続きの流れ
-
信託登記によるオーナー権限の移行:
アパートの登記を長男様(受託者)名義に変更しました。これにより、賃貸借契約の貸主や、工事業者との契約主体が「長男様」となりました。
-
家賃振込口座の切り替え:
入居者からの家賃振込先を、長男様が開設した「信託口口座」に変更する通知を管理会社経由で行いました。以後の修繕費や固定資産税はこの口座から支払われます。
3. 解決した後の結果とご家族の変化
経営のバトンタッチをスムーズに行ったことで、アパートの経営リスクが完全に排除されました。
-
長男様の判断で大規模修繕が可能に:
お父様の認知能力に関わらず、長男様が自らの権限(受託者としての権限)で工事業者と修繕契約を結び、信託口口座の資金を使って計画通りに大規模修繕を実施できる体制が整いました。
-
家賃収入は引き続きお父様のもの:
名義は長男様に変わりましたが、「受益者」はお父様のままであるため、贈与税はかかりません。家賃収入は実質的にお父様のものとなり、お父様の生活費や医療費として安心して使い続けることができます。
長男様からは、「父の認知症が進む前に経営を引き継げて本当に良かったです。これで入居者様にも迷惑をかけず、安心してアパートを守っていけます」と安堵の表情でお話しいただきました。
4. 担当司法書士よりメッセージ
アパートや駐車場などの「収益不動産」をお持ちのオーナー様にとって、認知症対策は待ったなしの経営課題です。認知症による「資産凍結」は、単なる家族の問題を超え、入居者様や管理会社を巻き込む大きなトラブルに発展します。
「自分はまだ大丈夫」と思っている元気なうちに、次世代へ経営の権限だけを移転できる【家族信託】は、不動産オーナー様にとって最強の防衛策と言えます。大規模修繕や建替えを控えているオーナー様は、ぜひお早めにご相談ください。
かなでの家族信託相談窓口にご相談ください!
- かなでの家族信託相談窓口/運営元:司法書士法人奏
運営:司法書士法人奏
〒362-0074 埼玉県上尾市春日2丁目2−2 恵恒産ビル 2A
TEL:0120-332-668
FAX:048-856-9908
