
| 相談者 | 二男様(40代・さいたま市在住・会社員) |
| 家族構成 | 父(85歳・介護施設に入所中)、長男(遠方に在住)、二男様 |
| 信託財産 | 金銭(普通預金・定期預金から計1,000万円) |
1. ご相談時の状況(抱えていた不安と問題点)
さいたま市内の介護施設に最近入所された85歳のお父様について、近くに暮らす二男様からご相談をいただきました。
お父様は身体が不自由になったため施設に入所しましたが、まだ頭はしっかりされています。しかし、年齢のこともあり、最近少し物忘れが増えてきたことを二男様は心配されていました。
現在、お父様の施設費用や日々の医療費は、二男様がお父様のキャッシュカードを預かり、代わりにATMで引き出して支払っています。しかし、二男様はインターネットの記事で「親が認知症になると銀行口座が凍結される」という事実を知り、一気に青ざめたそうです。
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「口座凍結」の恐怖:
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銀行が「本人の意思確認ができない」と判断すると、たとえ実の子どもであっても、窓口での手続きやまとまったお金の引き出しが一切できなくなる。
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定期預金が解約できない:
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お父様の財産の大部分が「定期預金」になっており、これを解約するには本人の意思能力(または成年後見人)が必要。
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立て替えの限界:
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もし口座が凍結されたら、毎月かかる高額な施設費用を、二男様や遠方に住む長男様が自分たちの生活費から立て替え続けなければならなくなる。
「父には十分な蓄えがあるのに、認知症になったせいで引き出せなくなり、私たちが経済的に追い詰められるかもしれない……」と、夜も眠れないほどの不安を抱えていらっしゃいました。
2. かなでのご提案・解決策(家族信託の設計)
お父様と面談したところ、「自分で銀行に行くのも大変だし、これからの手続きはすべて近くにいる二男に任せたい」と快く同意してくださいました。
不動産(実家)はすでに賃貸に出しており、今回は「お金の凍結を防ぐこと」が最優先だったため、手元に残す生活費を除いた1,000万円を対象とする「金銭信託プラン」をご提案しました。
【家族信託の設計内容】
● 委託者(お金を預ける人) :お父様
● 受託者(お金を管理する人):二男様
● 受益者(お金の利益を得る人):お母様(※医療費や生活費として使うため贈与税は不要)
● 信託監督人(適正な管理を見守る人):司法書士(当窓口の専門家)
具体的な手続きの流れ
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定期預金の解約と信託契約:
お父様がお元気なうちに定期預金を一度解約し、普通預金にまとめました。その後、当窓口で作成した信託契約書を公証役場で「公正証書」にしました。
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「信託口口座(しんたくぐちこうざ)」の開設:
家族信託の肝となる、お父様のお金と二男様個人のプライベートなお金を完全に分けるための「信託口口座」を金融機関で開設しました。
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資金の移動:
お父様の口座から、新しく作った信託口口座へ1,000万円を移転しました。これにより、この1,000万円の管理・処分権限が正式に二男様に移りました。
3. 解決した後の結果とご家族の変化
お金のバトンタッチを事前に行うことで、ご家族の不安は一発で解消されました。
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口座凍結リスクの完全回避:
今後、お父様の認知症が進行して元々の銀行口座が凍結されても、信託口口座にある1,000万円は凍結されません。二男様が自分の判断で自由に引き出すことができます。
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堂々と親のお金から施設代を支払い:
二男様は「自分の名義(受託者)」として信託口口座のキャッシュカードや振込手続きを堂々と行えるため、毎月の施設費用や突発的な入院費も、ここからスムーズに支払えるようになりました。
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長男様とのトラブル防止:
信託口口座の通帳を長男様にも定期的に共有することで、お金の使い道が「すべて父親のためであること」が証明され、兄弟間での不要な不信感やトラブルを防ぐことにもつながりました。
二男様からは、「毎月、ビクビクしながらATMでお金を引き出すストレスから解放されました。これで万が一、父の認知症が進んでも、お金の心配をせずに最期まで看取ってあげられます」 と、ホッとした表情でお話ししてくださいました。
4. 担当司法書士よりメッセージ
「親の通帳と暗証番号を預かっているから大丈夫」と思われている方は非常に多いです。しかし、銀行の窓口で一言でも「最近、父の耳が遠くて意思疎通が難しくて…」などと言ってしまうと、その場で口座がロックされてしまうのが今の金融機関の現実です。
一度凍結されてしまうと、二度と元には戻せません。
金銭信託は、親御様のお金を奪うものではなく、「親御様のために、お子様が安全に使えるように守る仕組み」です。まとまった預貯金や定期預金があり、将来の介護費用に不安がある方は、手遅れになる前にぜひ当窓口へご相談ください。
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